2011年6月9日木曜日

回想する

前回の記事でも書きましたが、先日森口ゆたかさんという方の展示を見てきました。

「森口ゆたか−あなたの心に手をさしのべて」
期間:2011年4月29日ー2011年6月26日
場所:徳島県立近代美術館

この展示で、大阪市立大学付属病院プロジェクト<あなたの”いのち”を支える手>で使われたタペストリーを見ることができました。
実際にこれが病院にあったのかーと思うと、なんとなく不思議な感じが。
もし自分が現場の人としてこれを見ていたらすごく照れくさいだろうなと思ってしまう。

アートの面白いところは、現場の人にとっては当たり前でも、それが当たり前でない人はたくさんいるということに気づかせてくれるところだと思います。 昔の私にとって化学ってそこらへんに転がってるようなものだったんですが、去年買った黒田武志さんの『不純物100%』という作品集の中に化学記号が使われている作品があって、化学をすごく神秘的にとらえているように思えて、ちょっとした衝撃を受けたのを覚えてます。

医療って表に見えないところでもたくさん人が働いていて、支えられていて、そういうことをもう一度再認識させてくれるのではないかと思いました。

ホスピタルアートではないですが、他の作品もとても素敵でした。
本当は別の展示を見たついでにふらっと立ち寄ったんですが、見てきて良かったなーと。
暗い空間を作品に沿って進んでいって、ガラスの部屋に辿りついたとき、人の体内を巡っているようななんともいえない気分になりました。人のつながりとか存在とかぼんやりと思い浮かぶような感覚。
丁度そういうことについてそのとき考え込んでいたので、昔も今も支えてくれる手がたくさんあったこと、あることを体感してきた気がします。

と、作者の意図とは違うかもしれないんですが、私はそんな感じで見てきました。
 <LINK>と<あしたの景>という作品が好きだったのでおすすめしておきます。
6月26日まで開催されているので、お時間のある方は良かったら見に行ってみて下さいなー。

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